致知

【致知2019年3月号】特集テーマ「志ある者、事竟に成る」を読んでの感想

今月号の特集は「志ある者、事(こと)竟(つい)に成る」と読みます。

固い志を持つ者は、いかなる困難に遭っても必ずこの志を成し遂げる

という意味だそうです。

当たり前と言っては当たり前ですが、ほんとうに大切なことですよね。

昨年ノーベル症を受賞された本庶佑(ほんじょたすく)さんも、この言葉に感動し、心を鼓舞されたのだとか。

本庶佑さんとは

がん細胞を攻撃する免疫細胞にブレーキをかけるタンパク質「PD-1」があることを発見。2018年ノーベル生理学・医学賞を受賞された。

その本庶佑さんがノーベル賞の賞金をもとにして後輩を育てるために設立した財団の名前がなんと「有志竟成(ゆうしきょうせい)」!

今回の特集テーマを使っているところが粋じゃあないですか。

「高い志を掲げて研究を成し遂げてほしい…!」という本庶さんの思いがビシビシ伝わってきますね!

致知に登場される方々は、全員が高い志を貫かれています。

ではどのような思いで志を貫いているのか。

今回も対談から読み解いていこうと思います。

対談「人びとに生きる喜びと感動を」読んで


今回は劇団四季に関係するお二人の対談です。

劇団四季の創設者は浅利慶太(あさりけいた)氏。

その浅利氏と親交が深かった二人が語る、劇団四季の志とは。

また、浅利氏から学んだことは何だったのでしょうか。

吉田智誉樹(よしだちよき)四季社長
昭和62年慶應義塾大学文学部卒業後、四季に入社。広報営業関連セクション担当。平成26年より四季社長に就任。

池田雅之(いけだまさゆき)早稲田大学名誉教授
早稲田大学文学部英文科卒業。NPO法人「鎌倉てらこや」務め、現在は顧問。文部科学大臣奨励賞、正力松太郎賞を授与される。

組織が求めることを逆算する


創設者の浅利慶太さんは、演劇にはかなり厳しい人だったようです。

もちろんそれは舞台のレベルを維持するためであったり、経営者として組織を自立させるため。

そのためにスタッフや俳優を叱咤激励することもしばしば。

現社長の吉田さんも数え切れないほど叱られたそうです笑

そんなときに浅利さんから飲みの場で言われた一言が、

「お前は人間としての浅利慶太を恐れ過ぎている」

というもの。

要は、浅利慶太も組織の機能の一つにすぎない、ということです。

自分は多々叱ることがあるかもしれない、しかし

それは個人ではなく、組織として求めれられているから伝えている。

と、浅利慶太さんは言います。

そのときから吉田さんは、浅利さん個人に対してではなく

劇団四季という組織が求めていることを逆算して浅利さんにぶつかっていこうと決めたそうです。

会社という組織には、ひとりくらいは怖い上司はいますよね?

何をしても怒られるような…笑

そんな上司も「組織に必要だから伝えている」のだと思います。

少なくとも、わたしはこの記事を読んでからはそのように捉えています。

組織に必要なことを広い視野で捉え、逆算する。

何かしらのコミュニティーに所属しているなら必要な考えだと思います。

ボランティアの基本は「自分直し」


古代ギリシャの哲学者・エピクロスは

「我々の唯一の仕事は、自分自身をなおすことである」

と説いているそうです。

これと同じように、池田氏は

「ボランティアの基本も、自分直しと自分育てである」

と言っています。

このような考えがないと「人のためにやっているのだ、という驕りがでてしまう」というのです。

なので、仕事ひとつ取っても「自分を試す道場」と捉え、

他人を通じて自分を育てていくという意識が必要なのですね。

こういった自己研鑽の意識は、劇団四季のあり方に通じているのだとか。

もちろん、人のために仕事をするという想いは必要です。

しかしそれ以上に「自己を高める」という意識がないと志を達成できないのでしょう。

周りを良くするためには、まず自分から。

とても「木鶏」の考え方に似ているなと感じます。

関連記事>>>全員が目指してほしい!「木鶏」について

抽象的なビジョンと自身の変化


舞台を通じて、お客様に人生の感動や生きる喜びを伝えていく

これが浅利慶太さんから吉田さんが受け継いだ志です。

人生ってすばらしい!というメッセージを伝えるのが劇団四季の仕事なんですね。

わたしは「劇団四季の志」を記事の中で知り、

浅利慶太さんはリーダーとして、組織のやるべきことを明確にわかりやすく、抽象的に表現しているのがすばらしいと感じました。

劇団四季の仕事は「感動を売る」こと。

その仕事を通じて「人生ってすばらしい!」をお客様に伝えていく。

また、浅利慶太さん自身もかなりのイノベーターだったそうですね。

イノベーションを訳すと「技術革新」といったところでしょうか。

浅利慶太さんは常識に問わられず、時代に合わせて変化してきた。

なんと近年ではディズニーと提携するイノベーションを達成しています!

そのような提携ができたのも、抽象的なビジョンがあったからなのではないかと思います。

「人生をすばらしいを伝えよう!」という具体的でない目標だったからこそイノベーションが可能になったのではないでしょうか。

具体的だと行動が制限される可能性もありますからね。

志を成し遂げていくためにはある程度の抽象さ

時代に合わせて柔軟に変化していく必要があるのではと感じました。

さいごに

今回の対談からは

・リーダーに必要なこと
・No.2に必要なこと

をそれぞれ学ぶことができました。

今回の記事で、わたしは3つのポイントを取り上げましたが、

どれが組織のリーダーに必要なポイントなのか、No.2に必要なポイントなのかをぜひ考えてみてください!

それでは、また。

ABOUT ME
かない
普段はメディアディレクションをしている兼業ブロガー。将来の夢は本を出版することと、ラジオに出演すること。