会社が発展するには、発展しなければならない理由がいる。
これは致知2019年1月号総リードの書き出しですが、会社に関わらず国が発展していくためにも理由が必要です。
今の日本には目指すべきビジョンや理念はあるのでしょうか。
今月の特集テーマ「国家百年の計」は、今の日本人に向けて鳴らされた警鐘のようでした。
対談「日本の進むべき道」を読んで
今月号の対談は、櫻井よしこ先生と中西輝政先生の対談です!
今世界で起こっている出来事に日本はどのように対応していけばいいのか…
正直わたしには難解なテーマでしたが、日本これから意識していくべきことについて読み解いてみました!
櫻井よしこ(ジャーナリスト)
日本テレビニュースキャスターを経て現在はフリージャーナリスト。平成19年「国家基本問題研究所」を設立し、理事長に就任。平成23年日本再生に向けた精力的な言論活動が評価され、第26回正論大賞を受賞。平成24年インターネット配信の「言論テレビ」創設。著書多数。
中西輝政(京都大学名誉教授)
京都大学法学部卒、英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、米国スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学院教授。平成24年退官。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。
1. アメリカからの自立
今後の日本が進むべき道のひとつとして「対米自立」という点がまず挙げられると中西先生が仰っています。
いつまでも日米同盟があると思っていてはいけないわけですね。
「アメリカに守ってもらえばいいや!」と考えていたら日本はとんでもない目に遭ってしまうかもしれない。
最近になって言われている「アメリカ・ファースト」は、実は第二次世界大戦の前に「アメリカ・ファースト委員会」というのがすでに作られています。
この委員会はすでに解散はしていますが、保守派のパット・ブキャナン氏は今でも強い影響力を持っているそうです。
その彼が「我々が引き上げた後に世界がどうなろうが勝手だ」という主張をしています。
確実にやってくる未来ではないにしろ、アメリカのこういった考えを知っておくことはとても大切だと思います。
アメリカに頼らなくても自国を守るためにはどうしたらいいのか…といった視点を日本人一人ひとりが持っていきたいですね。
2. 中国のビジョン
中国という国が、今何を目指しているのかを知っていますか?
中国は今「100年マラソン」を確実に走っているのです!
100年マラソンとは
建国百周年の2049年に向けて中国が掲げているビジョン。「中華民国の偉大なる復興」や「地球全体が人類運命共同体になる」といった構想がある。また、中国はアメリカを抜いて軍事も経済も世界最強の国になるといったビジョンも含まれる。
要は、日本人は「隣の中国という国がそういったビジョンを持っている」ということを知っておく必要があるということです。
これまではアメリカが日本を守ってくれていました。
しかし、今後はアメリカが守ってくれない可能性も考慮して力をつけなければなりません。
どうすれば国民を国土を守ることができるか…逆説的ですが、中国のビジョンを意識することで日本人がやるべきことも見えてくるということです。
3. 財政再建
いくら日本人に信頼があって、きちんとしていても経済力がなかったら世界の中で存在感を示していけません。
そのために注力していくべきなのは「先端技術」。
AIやIoT、EV、ゲノム研究などに力を入れる必要があると櫻井先生は述べています。
近年では「日本はこのままではノーベル賞を取れなくなる」と言われています。それは「研究開発費」が減らされているから。
長期的な財政再建によって研究費が減らされてしまい、技術の国際競争力は低下する一方です。
その影響のせいか、「日本の大学は世界第何位に下がってしまった」というニュースを耳にすることがあります。
マスコミはこういったニュースだけは報道するのに、その原因までは言及しない…
日本人が苦手な分野なのかもしれませんが、国益や10年20年先のビジョンを描きつつ財政再建をしていく必要があるとのことです。
さいごに
日本が意識すべきこととして
・アメリカからの独立
・中国のビジョン
・財政再建
の3つを挙げさせてもらいました。
この3つを意識しつつ、もう一つすることは「自信を持つ」こと。
日本はできるんだ!という自信のチカラが不可欠だと2人の先生が仰っていました。
自信のない人に「自信を持て!」と言っても自信は持てません。野球でホームランが打てない人に「ホームランを打て!」と指示しても打つことはできませんよね。だってそもそも打てないから悩んでいるわけで。
そこで必要なのは、ひとつずつ目の前の課題をクリアしていくことだと思います。
日本にとっては、上に挙げた3つに加えて憲法改正や拉致問題などの課題もあります。
こういった課題をクリアした先に「自信」はついていくのではないでしょうか。
それでは、また!
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