今月号のテーマは「人生の四季をどう生きるか」。
中国古代の五行説では人生の四季を「青春・朱夏・白秋・玄冬」と表現しているそうです。
1年の四季は何度も巡るが、人生の四季は一度きり…それぞれの季節をどう生きて、何を意識していけばいいのか。
今月号も深堀りしていこうと思います。
対談「一道に生き、我が情熱は衰えず」を読んで
今回の対談は、以下のお二人です。
■ 小林研一郎(こばやし・けんいちろう)
「炎のマエストロ」と呼ばれる世界的指揮者。
■ 羽生善治(はぶ・よしはる)
将棋棋士。史上3人目の中学生でプロ棋士に。前人未到の七冠や、通算1,500勝を達成。
指揮者・小林研一郎氏については知識がなかったので、YouTubeで検索して普段は聴かないクラシックを流してみました。
羽生善治氏は、将棋を知らなくても名前は耳にしたことがあると思います。
高い注目を集めた藤井聡太王将と羽生善治九段による王将戦7番勝負。
— 中日新聞 東京新聞 将棋【公式】 (@chunichishogi) March 13, 2023
感想戦の様子に着目して振り返りました。
世代を超えた王者対決 藤井聡太王将が羽生善治九段に勝ち初防衛 「非常に勉強になった」:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/OW6iylef8I
2023年3月11, 12日に行われた王将戦では藤井聡太王将に勝利することはできませんでしたが、史上7冠や通算1,500勝を達成するなど、間違いなく日本のトップ棋士です。
そんなお二人の対談から学んだことは、以下の3点。
- 人生は、その場その場でベストを尽くすしかない
- 負けたときに気持ちをどう切り替えるかが大切
- 故・原田泰夫先生の「界・道・盟」という言葉の意味
以下で詳しく述べていきます。
1. 人生は、その場その場でベストを尽くすしかない
対談から学んだことの1つ目は「人生は、その場その場でベストを尽くすしかない」ということです。
以下、対談内から羽生善治さんの言葉を引用します。
だから多少の浮き沈みは仕方がないと受け止めて、その場その場で自分のベストを尽くしていくことが大事ではないかと思っています。
いくら一流の棋士と言えども、モチベーションや体調をずっと維持するのは不可能。
だから「浮き沈みは仕方がない」ことをまず受け止める。
そして、沈んでいるときは「沈んでいる状態で取れるベストな選択肢」を取れるよう努力する。まさに将棋の戦い方のようです。
どうやれば沈んだ状態のときにベストな選択肢が取れるようになるの?
ポイントは、以下の3点です。
- 長期的な視点を持つ
- 人生の四季(浮き沈み)があることを知る
- 相手のためになることは何か?を考える
3つ目の「相手のためになることは何か?を考える」は特に大切なポイントではないかと感じます。
沈んでいるときは、どうしてもベクトルが自分に向いてしまいがち。
そうではなく「相手を良くするためにはどうする?」「この場を盛り上げるためには何をしたらいいか?」など、考えの軸を自分以外に設定するのが大切です。
人生には四季(浮き沈み)があるのは仕方がないことなので、その場その場でベストを尽くせるよう努力するしかなさそうです。
2. 負けたときに気持ちをどう切り替えるかが大切
対談から学んだことの2つ目は「負けたときに気持ちをどう切り替えるかが大切」ということです。
以下も、対談内での羽生善治さんの言葉の引用です。
棋士にとって一番大切な課題は、やはり負けた時にどう気持ちを切り替えられるかでしょうね。結果は人のせいにはできないし、自分が選んだ手は完全に自分の責任なんですね。
この一文を読んだとき「超一流棋士の羽生善治さんでも、気持ちを切り替えるのって課題なんだなぁ」と感じました。
何を当たり前のこと言ってるの?
羽生善治さんも人間だということは理解しています。
しかし羽生善治さんの「前人未到の七冠!」や「通算1,500勝!」という花々しい結果を知ると、その裏に隠れた多くの失敗が見えにくくなります。
通算1,500勝の裏には多くの敗戦があることでしょう。
その敗戦のたびに「何度も気持ちを切り替えてきた」という事実を知り、その部分を真似することがわたしには必要だと感じました。
3. 故・原田泰夫先生の「界・道・盟」という言葉の意味
対談から学んだことの3つ目は、故・原田泰夫先生の「界・道・盟」という言葉です。
以下、羽生善治さんが話していることを引用します。
故・原田泰夫先生には「界・道・盟」という言葉を教えていただきました。
将棋界、将棋道、将棋連盟のためにやりなさいという意味で、個人という枠を越えて、もっと大きな視野を持って人生を歩んでいきなさいという意味だと受け止めています。
「界・道・盟」の3つの漢字は、とても視野を広げてくれる文字だと思います。
それこそ人生の四季に悩み、浮き沈みがあったときこそ「界・道・盟」という言葉を意識することで個人という小さい枠を脱することができます。
また、指揮者の小林研一郎氏は以下のように語っています。
相手のためになることは何だろうと考え、そこに重きを置いた時に一つの世界が開けたのではないかと思います。
故・原田泰夫先生の「界・道・盟」と同様に、道を開くためには自分以外にフォーカスを当てることが必要なのではないでしょうか。
たしかに自分のことばかり考えてもチカラが出ないかも…
人生の浮き沈みを脱するためにも
- 今の組織・コミュニティをもっと盛り上げるには?
- 今やっている◯◯道を、より発展させるには?
- 何が相手のためになる?
などを意識していこうと思います。
まとめ
この記事では、致知2023年4月号「人生の四季をどう生きるか」を読んで気付いたことをまとめました。
小林研一郎氏と羽生善治氏の対談「一道に生き、我が情熱は衰えず」を読んで学んだことは以下の3点です。
- 人生は、その場その場でベストを尽くすしかない
- 負けたときに気持ちをどう切り替えるかが大切
- 故・原田泰夫先生の「界・道・盟」という言葉の意味
上記3つの学びは、どれも人生の中で沈んでしまった際にマインドをガラッと変えるものばかりだと感じます。
4月から新年度も始まりますね。
環境の変化に気持ちがついていかず気分が沈んでしまうことがあるかもしれませんが、今月号の学びを活かしてがんばっていきましょう。
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