「命(めい)は吾(われ)より作(な)す」とは
自分の運命は自分がつくる、という意味だそうです。
自分の運命を作る…
運命って勝手に巡ってくるってイメージがありませんか?
少なくともわたしはそういう風に捉えていました!
いい運命も悪い運命も、勝手に自分自身に押し寄せてくる…
自分自身ではどうしようもない、という認識でした。
ちなみに、松下幸之助氏はこう言っています。
「人間、九割は自分ではどうにもならない運命のもとに生きている。その運命を呪ってはいけない。喜んで受け入れる。すると運がよくなる」
松下氏も、運命の九割はどうにもならないという考えのようです。
しかし、わたしと違うのは
「どんな運命も喜んで受け入れる」
という点です。
これまで致知を読んできた中で度々目にするのは
「成長できる人というのは素直な人」
というフレーズです。
素直でまっすぐな人ほど成長スピードが早いそうです。
その点と結びつけると
素直な人 = 運命を受け入れることができる人
と言えるのではないかと思います。
どんな運命が目の前にやってきても、まっすぐであること。
これにより「自らの運命をつくる」ことができるのではないでしょうか。
対談「小が大に勝つ経営」を読んで
今回は本号の最初に載っていた対談
「小が大に勝つ経営」を読み解いていこうと思います!
最初に言ってしまうと、今回の対談めちゃくちゃおもしろかったです。
今回の対談のおふたりはこちら!
丸岡守(まるおか まもる)
まるおか社長
小川明彦(おがわ あきひこ)
大津屋社長
わたしはおふたりとも知ったのは今回が初めてだったのですが
どちらも業績を伸ばし続けている中小企業の社長さんです。
丸岡社長は、高品質で安全な食品を取り揃える群馬県高崎市にある「スーパーまるおか」を経営されています。
小川社長は、福井県でかつての大衆食堂を思い出させるようなダイニング・コンビニという形態の大津屋というお店を経営されています。
大手企業が猛威を振るう昨今、着実に成長している両者。
成長の裏にはキチンとした戦略があるのはもちろんですが、
それにプラスして「本物を追求する姿勢」が必要なのではと感じました。
日本人が忘れてしまった価値観を思い出させてくれるような内容でした。
自分がしてほしいことをする
両者に共通していたのは
スーパーでは自分が食べたいものを売る
あったらいいなと思う空間をつくる
などといった
自分がしてほしいことをする、という点でした。
しかし、そうなると価格等の問題も出てきます。
最初はお客様に「高い!」と言われて相手にされない。
けれどそこで折れず、価値が浸透するまでじっと我慢。
多くの方はそこで挫折してしまうそうなのですが
両者ともそこは
「新しいもの・価値観には必ず反発がある」
というのをしっかり理解して、実行されていたように感じます。
小川社長が経営されている、福井県を中心に展開しているローカルコンビニ「オレボステーション」も珍しい業態です。
コンビニと惣菜屋と大衆食堂を合体させてようなイメージ。
これも社長が
「忙しいときでも立ち寄ったコンビニでゆっくり食事ができたらいいのに」
という思いがきっかけにあったそうです。
東京にも出店しませんか?というお誘いもある中で
福井の地で少しずつ増やしていきたいという思いで経営されています。
まぁ東京にはちょっと休めるお店なんてたくさんありますからね…
「お金を儲ける」ではなく「自分がほしいと思う空間をつくる」という軸は全くブレていないなと感じました。
特徴のある小型店が生き残る
これからは大型店が落ち目で、小型店が生き残る
と、丸岡社長が仰っています。
その理由としては
大手はシェアが高いので人口減の影響をモロに受ける
シェアが減っても設備はそのままなので、売上は当然落ちる
とのことです。
だからと言って小型店が自動的に生き残れるわけでない。
そこに必要なのは「特徴」だそうです。
キラリと光る小型店があると十分に伸びていくことができる。
「スーパーまるおか」でも腕のいいレストランコック経験者がお惣菜を作っているなど、他との差別化を図っています。
日本人はいいものを作りながら、
「売れないから安くしよう、安くないから売れない」
と考えてしまいがちです。
た、確かにその通りかもしれません…!
しかしそうではなく、多少高くてもおいしいものを追求する。
そういった行動ができるのも小型店の特徴ですよね。
これって、そのまま個人に応用できるのではないでしょうか?
会社という組織が人口減の影響を受けるのならば
特徴のある個人が勝っていく時代が確実に来るのでは?
ますます個人の信頼が重要視されるようになりますね!
マネのできないもの
チャンスを掴めない原因のひとつは
「大手のモノマネになっている」
ことだそうです。
「大手さんのマネをすれば間違いないだろ!」と考えていることがすでに間違いということですね。
そうではなく「弱者の戦略」をキチンととっていくこと。
トップと従業員の思いをひとつにしたり、
地元のお客様と信頼関係を築いていくのは小型店だからこそできる強みです。
健康によい高品質なものを、それなりの価格で売る
というのは簡単なようで、実はとてもむずかしい。
なのでどこのお店もマネできないんですね。
トップと考えを合わせているからこそ、従業員の反発などなくそういったポリシーが実行できているのだと思います。
これぞ小型店ならではの強み!
世の中には成功例みたいなのが溢れていますが
それはあくまでも「成功例」なわけで、そのままマネしても成功できないと思います。
そこから成功するエッセンスを抽出したり、
自分に合うようにアレンジする努力が必要なのでしょう。
成功例をそのまま鵜呑みにしないこと
自分だからこそできることはなんだろう
と考えていくプロセスが必要なのではと感じました。
さいごに
今月号を読んで感じたことは
「個人のチカラに焦点が当たってきているな」
ということです。
大型店でなく特徴のある小型店が活躍できる時代になっているという背景は、そのまま個人に置き換えることが可能です。
今回のテーマ「命は吾より作す」は、「運命は自分が作る」という意味でした。
会社等に依存するのではなく、個人のチカラが重要になってくる時代がくるよというメッセージだったのではないでしょうか?
なにより、
大量生産・大量販売・大量消費ってどうなんだろう?
と考えさせられました。
日本人の価値観ってきっと本来はそうではなくて、
良いものの価値をちゃんと分かって
それ相応の対価を払って生活するところにあると思うんです。
日本の運命を作っていくためにも
今何をすべきかをしっかり見極めていきたいと思います。
それでは、また。