11月7, 8日に幕張メッセで行われたサイボウズデイズの2日目に参加してきました!
今年のイベントのテーマは「楽しいは正義」。
働き方改革の最前線を走っているサイボウズのイベントでどんな話が聴けるのか楽しみにしていました!
サイボウズ青野社長と、幸福学を研究されている前野教授との対談講演が印象的でした。
聴いたことをまとめつつ感じたことを書いていこうと思います。
働き方改革とは
昨今「働き方改革」が叫ばれていますが、そもそもなぜ言われるようになったのでしょうか。
労働環境の改革は、今や国全体の課題でもあります。
安倍首相は2016年9月、内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置し、働き方改革の取り組みを提唱しました。
そんな「働き方改革」の目的は、「一億総活躍社会」を実現することです。
日本は今後人口が減少していくため、もちろん労働人口も減っていきます。
このままでは生産性も国力も低下していく一方です。
そこで「働き方改革」が必要になってくるというわけです。
幸せってなんだっけ
幸せってなんだっけ、というフレーズを聞いてまず思い出すのは昆布ポン酢のCMです。
「幸せってなんだっけなんだっけ♫」とさんまさんが歌っているのをなぜか覚えています。
そのCMでは「幸せ」のことを「昆布ポン酢がある生活」と定義していましたね。
「幸せとは何か」というテーマはきっと大昔から多くの人が議論してきたことでしょう。
現代では幸せになる方法が科学的に証明されているようです。
この「幸せとは何か」という漠然としたテーマに、働き方改革が叫ばれている今だからこそ向き合っていく必要があるのではと感じています。
幸せになるためには
前野先生のお話では、幸せには「地位財」と「非地位財」が関係しているそうです。
地位財とは…
金、モノ、地位など他人と比べられる財
非地位財とは…
環境、健康、心などの他人と比べられない財
収入と幸せは最初は相関関係にあるります。
しかし、収入が一定の金額まで上昇するとそれ以上は幸せは増えなくなることが分かっています。
よって「幸せになるため」には地位財だけでなく、非地位財を満たす必要があります。
心を満たす4つの因子
非地位財の「心」を満たすには、前野先生が言うには4つの因子があるそうです。
1. やってみよう因子
2. ありがとう因子
3. なんとかなる因子
4. ありのままに因子
心が幸せを感じるにはこれらを満たす必要があります。
仕事に対して「やってみよう!」と思えるか、他人に対して「ありがとう」と言えているか。
また、「なんとかなるさ、楽しもう!」と楽観的に構え、「ありのまま」の自分らしく振る舞うことができるか。
最近心がなんとなく満たされた感じがしないなぁという方はこれらのどれかが不足しているのかもしれません。
「公平=幸せ」ではない
Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人でホールケーキを分ける場合、4等分することが「公平」ということになります。
しかし、それで本当に幸せなのでしょうか。
Aさんはさっきお昼ごはんを食べたばかりでお腹がいっぱい、Bさんは今ダイエット中…
Cさんはそもそも甘いものが苦手という状況だったらケーキはDさんに全部あげた方がいいということになります。
全員に平等に分けるよりも、全員がハッピーになる選択肢は「Dさんに全部あげる」ということになります。
これと同じことが、実は仕事でも起こっていたとしたらどうでしょう。
全員が同じようにフルタイムで働く、同じ量の仕事をこなすことが果たして「幸せ」繋がるのか。
ある人は時短で働きたいと思ってたり、またある人は仕事が大好きでたくさん働きたいと思っている…
そんな状況で「全員に同じ量の仕事」をさせることは幸せには繋がらないように感じるのです。
働き方改革ではなく「働かせ改革」
下記の文章は、昨年サイボウズが新聞に出した働き方改革に関する広告の一部の文章です。
とにかく残業はさせまいとオフィスから社員を追い出す職場、深夜残業を禁止して早朝出勤を黙認する職場、働き改革の号令だけかけて現場に丸投げする職場。なんですか、そのありがためいわくなプレミアムフライデーとやらは…。私たちが伝えたかった「働き方」とはそういうことではないのです。
仕事の時間を短くしたり、プレミアムフライデーを設定したり…
必要なことではあると思いますが、けど本当にやりたいことはそうではない。
「これでは働き方改革でなく『働かせ改革』だ」とは皮肉なようで的を得ている気がします。
働かせ改革になってしまっているのは、一概に会社だけの責任だけでなく、わたしたちにも原因はあるでしょう。
「自分たちはどういう生き方をしたいのか、何がしたいのか」を明確にし、
会社側は「多様性を前提としたビジネスモデルを構築すること」が必要なのだと思います。
アホはいいけど、ウソはだめ
サイボウズでは仕事をする上で働く場所や、時間を自由に選択できるそうです。
しかしそうすると「上司に見られてないからサボってしまえ!」みたいなヤツが出てきそうな気がします。
そこでサイボウズ青野社長が話していたスローガンは「アホはいいけど、ウソはだめ」というもの。
仕事でアホなミスをしてもいい、アホな理由で遅刻をしてもいい代わりに「ウソだけはつくなよ」という強いメッセージになっています。
アホなミスが許されるからどんどんチャレンジをすることができる。
けどウソは絶対につかないという強い信頼で繋がる組織。
これまでの会社は「アホなミスをすると怒られるからウソをつく」組織が多かったことでしょう。
これからの働き方や組織の在り方には「アホはいいけどウソはだめ」というスタンスは大切になってくるのではないでしょうか。
サイボウズデイズに参加してみて
働き方改革がこれから広がっていくとは思いますが、
前提として「自分がどんな働き方をしたいか」が定まっていないと改革のしようがありません。
100人いれば100通りの働き方があります。
これから人口が減っていく中で、働きやすい会社に人が集まっていくことでしょう。
会社への忠誠心がどうのこうのばかり言っているだけではもはや留まってくれそうにありません。
仕事という手段を目的化しないために「幸せってなんだろう」というテーマについても考えていこうと思います。